#book 7 FACT FULLNESS

著者はハンス・ロスリング氏。医師でグローバルヘルスの教授であり、教育者でもある。

世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境なき医師団の設立、ギャップマインダー財団を設立。

タイム氏が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に選ばれた。

著者はハンス・ロスリング氏。医師でグローバルヘルスの教授であり、教育者でもある。

本誌で著者が言いたいことは、ずばり、

えっwww お前ら世界のこと分かってなさすぎwww ヒステリックで草www チンパンジー以下ですか?wwwww

ということである。(絶対違う。)

まずこれらの質問に答えていただきたい。

問一、現在低所得国に暮らす女子の何割が初等教育を終了するでしょう?

A、20% B、40% C、60%

問ニ、世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

A、低所得国  B、中所得国  C、高所得国

問三、自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?

A、2倍以上になった  B、あまり変わっていない  C、半分以下になった。

結論から言うと、答えは順に、C、B、Cである。皆さんは正解しただろうか。あなたがもし正解した問題が一問以下であるなら、あなたはチンパンジー以下と言うことができる。チンパンジーは、問題を与えられても問題の意味が分からないので無作為に答えとしてひとつ選ぶので、集団のチンパンジーの正解率は、統計的には33%ほどになるのである。

つまり、もしあなたの正解が一問以下だった場合、あなたは集団のチンパンジーの平均よりも劣っている、ということになってしまう。

実は、世界中のみんなも正解できていない。世界14カ国12000人にこれらとこれらと似たような質問の計13個の質問をした結果、問一の正解率は平均7、2%、問ニの正解率は25、6%、問三の正解率は10%で、全体の正解率は10%ほどであった。これらの問題は賢い人は分かりそうだが、正解率と学力に関係性は全くみられなかったという。

Twitterで私は3問目の質問をしてみた。母体数は少ないが、結果は18%の人しか正解した。これでもやはり正解率は少ないと言えると思う。

では、なぜこのような事態になってしまっているかというと、人間の10の本能によって、勝手に思い込みをしてしまっているため、事実が分からなくなってしまっているのだという。その10の本能というのが、次の通り。

人間の10の思い込み本能

・分断本能


・ネガティブ本能


・直前本能


・恐怖本能


・課題視本能


・パターン化本能


・宿命本能


・単純化本能


・犯人探し本能


・焦り本能

・分断本能

分断本能とは、人間が全てを二つにすぐ分けたがることである。

例えば低所得と高所得、発展途上国と先進国、成功者と失敗者と、人間は何かとつけて分断したがる。これは大きな間違いで、二つに境界線はなく曖昧であり、中間層が大半を占めるのがほとんどであるという。であるからしてグラデーションで表現するのがより正しいといえる。富裕層と貧困層の2パターンだけではなく、レベル1の生活、レベル2の生活、レベル3の生活、レベル4の生活と表現するのがより正しいと言える。

分断本能にとらわれないためには、話の中の分断を示す言葉に気づくこと、極端な数字の比較に注意すること、「高いところから見える低い景色は、どれも同じくらい低く見えるけれど、実際は違う」ということを認識することが重要である。

・ネガティブ本能

ネガティブ本能とは、世界はどんどん悪くなっているという思い込みのことである。

「世界はどのように変化していると思いますか?」という質問に対し、30カ国の約70%の人々が、「どんどん悪くなってきている」というふうに答えた。正解は「世界はどんどん良くなってきている。」合法的な奴隷制度、石油流出事故、戦争や紛争の犠牲者、オゾン層の破壊、核兵器、災害による死者、飛行機事故などの件数は、劇的に減ってきている。乳幼児死亡率に至っては、高くなった国は一つとしてない。にもかかわらず、大半の人が世界は悪くなってきていると思い込んでいる。

このような事態になるのは、メディアが関係しているという。メディアは、人間のネガティブ本能に漬け込もうとして、ネガティブな情報をあたかもよく起きているかのような報道をする傾向がある。

年に何回しか起こらない飛行機事故を取り上げて悲惨で御涙頂戴な報道をするが、飛行機事故が昔に比べて激減しているということは報道しない。それはそうだ、メディアは関心を集めるためにヒステリックになっているからだ。

ネガティブ本能にとらわれないためには、悪いニュースの方が広まりやすいこと、良いニュースはなりにくいこと、悪いニュースが増えても、悪い出来事が増えたとは限らないこと、「悪い」と「良くなってきている」は両立していることを認識することが重要である。

・直線本能

 直前本能とは、世界の人口はひたすら増え続けるという思い込みのことである。

 ノルウェーの教師達に、筆者は「15歳未満の子供は、現在世界に20億人います。国連の予測によると、2100年には子供数は約何人になるでしょう? A、40億人  B、30億人、  C、20億人  

という質問をした。そしてこの質問に正解したのはたったの9%、ダボス会議に来ていた専門家の正解率は26%であった。ちなみに正解はC。このような事態になるのはこのまま人口は増え続けると思い込んでいるから。実際は、各国の生活標準が上がっていくのに加えて乳児死亡率が下がっていくので、多くの子供を産む必要がなくなるため、子供の数の増加は年々穏やかになっていく。

このような直前本能にとらわれないためには、多くのデータは直線ではないことを認識することが重要である。

・恐怖本能

恐怖本能とは、危険でないことを恐ろしいと考えてしまう思い込みである。

メディアは、ほぼ毎日のように身体的な阻害や拘束、毒のことについて報道をして危険を煽るが、本当に危険なのか。

あなたは年間で蛇と蚊のどちらが1番人間を殺していると思うだろうか。正解は蛇が約5万人で蚊が73万人。蚊の方が15倍ほど人間を殺しているのにもかかわらず、15倍ほどの報道をメディアはしない。メディアは年間数件しか起こらないサメによる死亡事故を報道するが、年間52万人ほどを死亡させる下痢についてはほとんど報道しない。メディアは新型コロナウイルスによる感染者や死者数を毎日報道するが、年間3500人ほどを殺す餅の危険性についての報道はほとんどしないし、年間20000人ほど日本で自殺することをより報道をしないし、改善の姿勢も見受けられない。

つまり、あなたはメディアによって物事の危険性についての把握能力を狂わされている可能性があるということだ。

このような恐怖本能にとらわれないためには、恐ろしいものには自然と目がいってしまうこと、世界を落ち着いてみることが重要である。

・課題視本能

課題視本能とは、目の前の数字が1番重要だという思い込みのことである。

ユニセフの調査によると、2016年に世界中の0歳児の死亡するは420万人であったそうだ。この数字をみて、あなたは少ないと思うか多いと思うか、どうだろうか。この数字を見て、多くね?世界はなんで悲惨なんだ!とヒステリックを起こす人は、この課題視本能にとらわれている可能性がある。

そもそもこの420万という数字、このままではほとんど意味を持たない。比較対象を知って初めて意味を持つのである。世界の0歳児の死亡数について、2015年では440万人、1950年にいたっては1440万人であった。しかも2016年は現代で最も少ない死亡者数であった。であるからして、現代の世界でのこの数字は決して多くはないのだ。にもかかわらず、大勢の赤子が亡くなっていると騒いでいる人々が少なからずいるという。

この課題視本能にとらわれないためには、数字は比較対象を持って初めて意味を持つこと、「一人あたり」に注目することが重要であることを認識する必要がある。

・パターン化本能

パターン化本能とは、一つの例が全てに当てはまるという思い込みである。

途上国というと、皆さんはどのような国どのような生活を想像するだろうか。悲惨な光景をイメージする人がいると思うが、途上国の中でも信号も下水も整備されているし、道端で死にかけている人もいない国もある。途上国だからといって一概に良くない光景をイメージするのはご法度であるという。そのような認識を持っていたら、その人達と会ったときにいつか痛い目に遭う。

このパターン化本能にとらわれないためには、一つの集団パターンを根拠に物事が説明されていたらそれに気づくこと、「過半数」に気をつけること、自分以外はアホだと決めつけないことが重要であることを認識する必要がある。

・宿命本能

宿命本能とは、全てはあらかじめ決まっているという思い込みのことである。

人間は変化を好まない動物であるから、そういう定めなんだと正当化することが人間の性であるのだという。

筆者が五つ星ホテルに招かれて資産家の集まりで公演をしたとき、韓国や中国、ベトナムやマレーシアなどのアジア諸国でこの数十年で劇的な経済発展を遂げだこと、アフリカの一部でも同じことが起きていることを目に見える形で説明したそう。しかし資産家の中に「数字を見せてもらったし話も聞いたが、アフリカはダメですよ。軍の仕事でナイジェリアにいたから分かる。ああいう文化だから。現代的なものなんて作れませんよ絶対に。」などという人もいたらしい。この人は紛れもなく宿命本能に呑まれているそうだ。

この宿命本能にとらわれないためには、色々なものが変わらないように見えるのは変化が少しずつだからということを認識すること、知識をアップグレードすること、昔の人に話を聞くことが重要である。

・単純化本能

 単純化本能とは、世界は一つの切り口で理解できるという思い込みのことである。内容はパターン化本能と宿命本能とほとんど同じである。

この本能にとらわれないためには、一つの視点だけでは世界を理解できないことを認識すること、自分の考え方を検証すること、数字は大切だがこれだけに頼っては行けないことを認識することが重要である。

・犯人探し本能

犯人探し本能とは、誰かを責めれば物事は解決するという思い込みのことである。

物事がうまくいかないと、誰かがわざと悪いことを仕組んだように思いがちである。しかし誰かが悪いと責めることで、複雑な真実から目を逸らして正しいことに力をそそげなくなってしまう。

例えば、飛行機事故を睡眠不足のパイロットのせいにしても次の事故の防止につながることはなく、大事なのは問題を引き起こすシステムを一刻も早く見直すことである。

梅毒は、日本では梅毒と呼ぶが国によって名前が違っていたそう。ロシアではポーランド病と呼ばれ、ポーランドではドイツ病と呼ばれ、ドイツではイタリア病、イタリアはフランス病と呼んでいたそうだ。これも犯人探しの本能にとらわれていたのだと思う。新型コロナウイルスについても、アメリカはチャイナウイルスと呼んでいて、まさしくこれに当てはまっている。見苦しい。

この犯人探し本能にとらわれないためには、犯人ではなく原因を探すこと、社会を機能させている仕組みに目を向けることが重要である。

・焦り本能

焦り本能とは、今すぐ手を打たないと大変なことになるという思い込みである。

あるとき、ある国の北部の村の感染症が原因と思われる病気が流行り出し、著者は毒物が原因だと疑っていたが確信はなかったので、市長とともに軍に道路封鎖を要請して北部からのバスを入れさせないという手を打った。

翌朝、北部から20人の女性と幼い子供達が作物を売るためにバスを待っていたが、バスが来ないので港に行き小さなボートに市場まで乗せて欲しいと頼み、全員を乗せてもらって市場へ向かった。しかし、途中でボートは転覆し、全員が溺れて死んでしまった。このことを知った著者は自分を許すことができなかったそうだ。

また、感染症だと思われていた病気が芋の毒物が原因の病気であることが分かり、著者は、あの時すべきだったのは道路の封鎖ではなく、地道に感染者一人一人に確認して感染経路を探すことであったと初めて気づいたという。

このように焦りを感じるとまともな考えができなくなってしまうことが多い。私自身も、焦りによって何回身を滅ぼしたか分からない。

このような焦り本能にとらわれないためには、重要なデータにこだわること、過激な対策よりも、一歩ずつ乳道に進める対策の方が効果があることを認識することが重要である。

まとめ

・数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う。私自身、これがものすごく響いた。

正しいデータの見方をを取得し、正しく世界を見よう。

悪いことと良くなってきていることは同時に存在している。

読んでみた感想として、この一冊で普通の本の3倍くらいの情報量と価値があった。オヌヌメ。

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